#26 この素晴らしき自然と触れ合う。
「O’PAL」で過ごす、びわ湖の特別な時間
大津市雄琴にある自然体験・学習施設「O’PAL(オーパル)」。ここでは、びわ湖での水上アクティビティを中心として身近な自然を体感することができます。
今回は、実際に体験してきたプログラムをご紹介しながら、「人と自然をつなぐ」O’PALの魅力、そして大津・びわ湖の良さに迫ります。
まずはカヤックを体験してみよう!
目の前にびわ湖を臨む好立地。豊かな自然を生かした多彩な体験プログラムのなかで、今回はカヤック体験をすることに。スタッフの西村さんとエミリーさんにサポートをしてもらいました。
まず最初にライフジャケットを身に着け、漕ぎ方の簡単なレクチャーを受けます。
くるんと転覆してしまいそうなイメージもありますが、「怖いとか、落ちちゃうのでは?とか心配される方も多いですけど、実はそうあることでもないんですよ」と西村さん。
実際に漕ぎだしてみると、少しふわふわとした感覚はあるものの、確かに思いのほか安定していました。
カヤックの種類は1人乗りから3人乗りまであります。親御さんと一緒に乗ることで、お子さんは5歳以上で利用することができるそうです。利用時間は60分と90分から選べ、とりわけ水遊びの準備をしていなくても楽しむことができるのも利点です。
水面をすべるような、なんともいえない爽快感。
「魅力はとにかく気持ちいいところです。びわ湖と触れるには3つの方法があると思っていて、まずは直接泳ぐこと。そして、ミシガンのような遊覧船から景色を眺めること。その中間のカヤックは水には浸からないけれど目線が低く、びわ湖に入っているような感覚。それでいてある程度自由に動けることも楽しさのひとつです」とエミリーさんはいいます。
少し沖まで出れば視界も開けます。湖の上、しかも湖面すれすれから臨む景色は、普段見ることのできない特別な風景です。午前中は波が穏やかなことが多く比較的コンディションが良いとのこと。また夏場の日暮れごろは夕日や夕焼けが素晴らしいそうです。
時間が許せばカヤックに乗ったままぼんやりするのも、ちょっと贅沢な楽しみ方としてありかもしれませんね。
「天候や湖面の状況次第ではありますが、できる範囲の中でスタッフが対応してご案内をしています。湖からの自然観察を楽しむ方、湖上からの風景をゆったり見る方、しっかり目に漕ぎたいという方。自由度が高いため、楽しみ方も人それぞれです」(西村さん)
体験時間の中で、1.5~2kmくらいの航行ができるといい、北は堅田の浮御堂沖くらい、南は雄琴港より少し南の大正寺川くらいまで行かれる方もいるそうです。
「カヤックは全然ハードルが高くないんです。特殊な訓練などもなければ、思うほどは難しくもないのでぜひ気軽にチャレンジしてみてほしいです」(西村さん)
びわ湖に触れる水上アクティビティ
水上でのアクティビティにはカヤック体験のほかに、SUP体験やウォーターチューバー、ウォーターボールなどがあります。
SUP(スタンドアップパドル)は夏に人気のアクティビティ。「大きいサーフボードみたいな感じで、その上に立って長いパドルを持って。めっちゃ楽しいです。私は、立って飛び込むのが大好き!(笑)」とエミリーさん。ボードに立てば目線も高くなるので水上散歩のような感覚なのだそう。ヨガをしたり寝そべったり、SUPも遊び方はいろいろです。
エミリーさんが「びわ湖への入り口のひとつ」と評するウォーターチューバーは、ちくわのような筒状のビニールの中に入ってころころと回すように遊びます。対象年齢は4歳から。
「水にも濡れないので、びわ湖で遊ぶ準備をしっかりしてきていなくても体験してもらえます。ちょっと子どもと遊んでみたいなということで気軽に来られる方も多いです。入るだけなので本当に簡単です」(西村さん)
透明なボールの中に入り、びわ湖の上を走る感覚を楽しめるのがウォーターボール。こちらも水に濡れないため、準備不要で気軽にチャレンジできます。ただしボールが密封される性質上、熱中症対策の面から暑さが厳しくなる夏季には体験を見合わせています。目安として、6月末ごろまででいったん中断し、また秋ごろになり少し涼しくなってきてから再開しているそうです。
人と自然をつなぐ場所でありたい
O’PALは、滋賀県の企業であるオプテックスグループ株式会社の社会貢献を担う事業会社として1990年に設立されました。社名の「O」は“大津・アウトドアの頭文字”を、「PAL」は“仲間”を表しているそうです。
「O’PALの事業内容には、今回体験して頂いたカヤックやサイクリングなどのアクティビティのほか、自然体験学習や子どもカヌースクールなども行っています。アクティビティのコンセプトは『人と自然をつなぐ場所』。びわ湖が本当にすぐそばにあるO′PALなので、湖や自然をより身近に感じて頂けるような体験内容を目指しています」(西村さん)
「創業者の小林さんが当時考えていたのは、『せっかく住んでいても、滋賀県の人がびわ湖に接する機会が減っているのではないか』ということ。気軽にびわ湖と触れ合う場面を増やしてほしいという熱い想いから、まずは地元の方やお子さんを中心に、利用者もどんどんと一般の方へ広がっていきました」(エミリーさん)
もとは社会的な視点から、未来ある子どもたちに向けてびわ湖の体験学習やカヌースクールを行ってきたO’PAL。ここは、遊びと教育を通しながら人々が自然と接する機会をつくっていく施設なのです。
自転車に乗って体感。新しい滋賀の魅力発見旅
豊かな自然や歴史文化も豊富な滋賀県。O’PALでは水上アクティビティ以外に、サイクリングにも力を入れています。
「クロスバイクや電動アシストタイプなどのレンタサイクルは、お客様自身で南湖を回ったり、ビワイチにチャレンジされたりしています。それとは別に2022年春からスタートしたのが、『じてんしゃでゆく 小さな旅の発見』というサイクリングツアー。1グループに1名のガイドが付くことで、地元の方たちとのふれあいのきっかけをつくることができるのが魅力のツアーです」(西村さん)
ということで、今回のもう一つの体験、サイクリングツアーをご紹介します!
選んだのは、O’PALから少し北に進む堅田コース。近江八景「堅田の落雁」で名高い浮御堂のある堅田地区は、“湖族”としても知られる堅田衆が古くから活躍した歴史ある地域です。昔ながらの町並み、入り組んだ道も多く、小回りが利く自転車だからこその良さも感じます。
湖岸に出てきました。さわやかな風と景色がとても心地良く感じます。
「地図には載っていても普段なら選ぶことのないような“普通走らない道”を走れるのも魅力的です。実際にそういう道を走ると、こんな景色があったのか、こんな気持ちいい道があったのか、と新しい発見を得られると思います」とエミリーさん。
『じてんしゃでゆく 小さな旅の発見』は、4~6時間かけてゆったりと巡る地域満喫の自転車旅です。堅田方面、仰木方面、おごと方面、坂本方面の4コースがあり、どちらも20km弱ほど。コースによってはハーブガーデンさんでの体験、写経・座禅、カヌーアクティビティなどが織り込まれていることも特長です。滋賀県の魅力をよく知るO’PALスタッフおすすめのサイクリングコースや地域の魅力に触れることができます。
知っている土地や景色であっても自転車で走ると見え方が変わります。実際に見て、触れて、五感で楽しむ。地元の人にも是非おすすめしたいサイクリングツアーです。
びわ湖や自然を身近に感じられる施設
程よい心地よさがあることが滋賀県の魅力なのではないかと西村さんはいいます。
「大阪や京都のような派手さはないですが、便利でありながら、歴史や文化を兼ね備えています。北海道や沖縄のような“大自然”とは言えないまでも素晴らしい自然があり、その周りにある地域の文化や人々の暮らしのバランスがちょうど良いと感じています」
おごと温泉駅から徒歩で15分ほど、京都市内からでも車で1時間あれば来られ、O’PALは地理的なアクセスも良好。施設内容も充実しており、半日ほどかけてじっくりと滞在を楽しめる場所となっています。
ロッカー・シャワー完備、駐車場も無料。夏場限定ではありますが、アクティビティをされた方はプールも利用可能です。併設のレストラン『アンソレイラ』では食事ができ、O’PAL利用の方向けには、テイクアウト用ランチボックスも用意することができます。
びわ湖がすぐそばなので、水上体験はもちろんのこと、施設内でランチを召し上がったりして滞在するだけでもびわ湖を感じる過ごし方ができることでしょう。
なにより、O’PALでのアクティビティは初めての方にもおすすめ。エミリーさんも太鼓判を押します。
「びわ湖の南湖は荒れることも少なく、水上体験初心者の方にも向いています。対岸も見えますし、湖上を少し進めば琵琶湖大橋まで見渡せます。とにかく景色が良いので、びわ湖をより身近に、接しやすく感じてもらえると思います」
地域活性化を願い、自然の魅力を伝える
「“三方良しの精神”じゃないですけど、自分たちだけが利益を上げて自分たちだけが得をしてという考え方は持っていないんです。まずはお客様に楽しんでもらうこと、そして周りの地域の方々にも喜んでもらって、もっと関係を深めていきたいです。地域をよりよくするためにO’PALで担えるものがあればいいなと思っています」
O’PALのさまざまな取り組みについて、西村さんはこのように話します。
たとえば、O’PALでは地元・仰木の平尾という地区で棚田オーナー制度を利用しているそうです。地域の方から農業を教えてもらいながら、O’PALスタッフは地域の文化や暮らしを学びます。そこでできた関係性から新しい学びや取り組みに発展することもあり、そのほか、地域の子どもたちや地元にある大学との連携なども大切にしているといいます。
西村さんが「地域観光にもっと寄与したい。O’PALが地域の活性化に一役買うことができればいいですね」と言えば、「私が大好きな大津市やびわ湖を、国内外問わずもっと多くの方に紹介してその魅力を伝えていきたい」と目を輝かせるエミリーさん。
初めてでも気軽に楽しめるカヤック・SUP体験から、びわ湖をカヌーで横断するチャレンジコースなど、豊富なアクティビティと体験プランを展開するO’PAL。
『最近、自然との関わりが遠のいているかも…』と思った、そこのあなた。
それを縮める役割を担う、人と自然をつなぐO’PALで、大津・びわ湖とその素晴らしさを存分に体感してみませんか?
Information
O'PAL(オーパルオプテックス株式会社)
滋賀県大津市雄琴5-265-1(Google Map)
TEL:077-579-7111
受付時間:9:30~17:30
定休日:木曜日(1・2月は水・木曜、夏季は無休)
ホームページ / Instagram(じてんしゃでゆく 小さな旅の発見)
※上記は2023年3月1日現在の情報となります。