#51 お花に囲まれる癒し空間。
オーナーの想いが詰まったガーデン「ローザンベリー多和田」

米原にある「ローザンベリー多和田」は自然の中に囲まれたイングリッシュガーデン。お花はもちろん、「ひつじのショーン ファームガーデン」・カフェレストラン・ショップ・体験など年中楽しむ事ができるこの施設は、オーナー大澤恵理子さんのお庭を造りたいという想いから造られました。実際に足を踏み入れると感じることのできる圧倒的なスケール、園内の細かなところにまでオーナーの妥協のないこだわりが伝わるディテール、その魅力についてお伺いしました。

お庭を造りたい。だから苦労なんてなかった。

 

中に入ると早速出迎えてくれるお花達。周りは山々で囲まれており、借景を活かしたガーデン造りを意識されています。静かに落ち着いてガーデンを楽しむことができます。

 

園内入ってすぐのところにある石畳の道。ココロードと名づけられたこの道、その先の8つのガーデンエリアに繋がっているのですが、そこにはいろんな想いがあるとのこと。

 

今回、園内を案内してくださった広報担当の宮元さんがある1枚の写真を見せてくれました。

(提供:ローザンベリー多和田)

 

「開発当時の様子を皆様に知って頂きたいのでホームページにも載せているんですけれども、この場所は昔コンクリート会社さんの採石場でした。酷い所だと10㎝掘ったら岩盤が出てくるような場所で、ダンプカーで何十トンと岩を取り除いたり。また色んな雑草が採石場一面にあって、ようやく草を刈り取ったと思って掘り起こしたらまた岩盤で、という状況だったと聞いています。」(宮元さん)

 

写真と見比べると一目瞭然。そんな当時と今のこの光景を重ねると…感慨深いものがありますね。

セメント会社の採石場であったこの場所をどうしてガーデンに?ローザンベリー多和田のオーナーである大澤さんにもお話を伺いました。

 

「子離れしたら絶対何かしようと思ってて、自分に出来ることはやっぱりガーデンかなって思ってたんです。実家の両親揃ってお花が好きで家にもお庭があって、それを手伝ったりして育ってきたので、やっぱり私にできることはそういうことかなと思い始めました。」

 

「お庭を造りたい」という想いから、会長でもある大澤さんのご主人といろんな場所を探し、この場所と出会い、荒地を見た時に緑化して綺麗にしたいと感じたそうです。

あの広い荒地から長年かけてのガーデン造り…苦労したこともあるのではないかと思いきや…

 

「それがねぇ、やってる間楽しすぎて。苦労って思った事がないんですよ(笑) 私があれこれ説明すると普通はそれが苦労で大変じゃないんですか?っておっしゃるけど、その時はもうがむしゃらだったので。2003年の10月くらいから工事を始めて次の年の2月ぐらいからメタセコイアなどの大きい木を植え始めたんですね。ヒマラヤスギとかとか元々あった木を活かしたり、でもその4か月後くらいに季節外れの大型台風が来て植えた木の8割方が倒れてしまったんですよ。それを植え直したりとか、オープンしてからもそういうことありました」

 

今ではいい思い出のように話す大澤さん。本当に楽しんでいらっしゃったのが伺えます。

 

見る・体験する・食べる・買う。ローザンベリーの楽しみ方。

 

ガーデンでは薔薇を始め、宿根草、牡丹、アヤメなど沢山のお花が育てられています。薔薇だけでも400種類もあるそう。

「薔薇はあえて低く管理をしております。色が凄く豊富で、全部香りが違うんです。なので近くで見て頂いたり、お花の香りを楽しんで頂けるように低く仕立てています。特に黄色系と赤系で全く香りが違いますよ。」(宮元さん)

 

実際に嗅いでみると丁度良い高さで薔薇の花をじっくり見ることが出来ます。1つ1つしっかり香りも楽しむことが出来ました。個人的に黄色の薔薇のフルーティな香りが好き。

 

ガーデンを見ていると感じてくるのはナチュラルさ。ここには大澤さんの好きなお花だからこそのこだわりが。

 

「私はノイバラが好きなんです。皆さんもご覧になったことあると思うんですが、畑とかちょっとした山際など、その辺に咲いてますよね。アレが好きなので開発の時から残してます。鳥が糞をポトッと落とすとそこにノイバラの種が入ってたりするんですよ。思いがけない所から生えてきたり。そういうものも全部残してます。きちんと整備されてっていうのじゃなくて、『あっ、こんなところに』っていうのが咲いてたりするのが楽しいかなって思うんです。」

 

大澤さんがこだわっていらっしゃるのは、周囲の環境との調和。元々あった木々や植物を生かし、この「多和田」の土地でしか作れない庭を作りたい、そんな思いをこの庭園に込めていらっしゃいます。

 

そして丁寧に造られたガーデンもさることながら、ほかにも様々な施設があるローザンベリー。その1つになんと日本でもテレビでおなじみのクレイ・アニメーション「ひつじのショーン」の世界を忠実に再現したリアルワールドがあるんです!その名も「ひつじのショーン ファームガーデン」。

© AARDMAN ANIMATIONS LTD 2024

 

「ひつじのショーン」の世界観と舞台を等身大で再現したこのエリアは、まるでショーンの世界に入り込んだような牧歌的な世界が広がっています。

牧場、お家も再現度が高くこちらも人気のエリア。写真にあるショーンの着ているエプロンは実はオリジナルには存在しないコスチュームでオーナーの愛用品を基に作られています。ここでしか見れないガーデンスタイルの特別なショーンなのです。

© AARDMAN ANIMATIONS LTD 2024

 

「版権会社を通じて、英国からアードマン・アニメーションズの方が(ひつじのショーンの会社)視察に来てくださって『ここならOK』って言ってくださったんです。これだけこだわって庭づくりをしているんだから、自分たちのショーンに対してどれだけこだわっているかっていうのも理解してもらえるはずだからって。それからは進んでいきましたね。」

 

なんとも凄いお話です…!

 

その他にも、薔薇のトンネルをくぐるミルキーウェイ、クラフト体験。羊たちの放牧場では、世界一可愛いと言われる「ヴァレー ブラックノーズ シープ」というスイス原産のとても珍しい羊も見られます。

体験で特に人気である「ひつじのショーン」のパン作りは土日だと満席になってしまうほど。実際にやっている場所を通ったのですが、沢山の人がパン作りをされていました。

また、スタッフの方によるお花の教室も開かれており、お時間が出来たときには大澤さん自らも講師をされるそう。

 

カフェ・レストランでは、食べ物にもこだわりを持っておられます。

 

「こういう場所だとそんなに食べ物に期待して来られないです。何処か出掛けたときもそうですが『綺麗なモノ見たな』とか『楽しいことしたな』と思っても、食事が美味しくないともうその日の体験や旅は失敗だったような気がすることもあるじゃないですか。締めくくりってやっぱり大事だと思うので、美味しいなって思ってもらえるモノを出したいなって思っています。」

 

何店舗かある中、今回ご紹介したいのは「TEA PASTRIES(ティーペイストリーズ)」。2023年にオープンしたばかりのお店でイギリスにある老舗のティーハウス「Farrer’s(ファーラーズ)」の代理店です。

 

「ファーラーズは200年続いている老舗の紅茶屋さんで、日本人の口に合う紅茶。イギリスで紅茶を飲むと美味しい!ってなっても、日本に持って帰ってきたらそうでもないっていうのは水の質が違うから。ファーラーズは日本のお水でも美味しく頂けます」

 

イギリスの軟水地域で愛される紅茶だそうで、日本の水とも相性がいいのだとか。実際に頂いたのですが、とても美味しく水に違和感なし!

 

そして今回、頂いたメニューはティークリームセット。

紅茶は、好きなものを選べます。

今回は、ローズレモネードティーにスコーン2種。そしてクリームと木苺のジャム。薔薇が添えてあり目を惹かれます。

 

まずドリンクは炭酸でさっぱりしながらも味わい深い味。ふわっとローズの香りも。そしてスコーンはフワフワ!クリームと木苺のジャムの相性もバツグン!

 

見所満載で1日じゃ足りません!

 

楽しみ方は色々。1年中楽しめるガーデン。

全ての施設に魅力のあるローザンベリー。春夏秋冬、様々な姿が楽しめます。ですがお花が咲かない時期も当然でてきます。

 

「ガーデンにお花がない時期っていうのは、やっぱり「ひつじのショーン」とかに来てくださるんですね。会長が初めに考えたのもショーンなら通年、暑い時も寒い時も来ていただけるんじゃないのかって、それは本当に良かったなと思いますね。若い子達は計画を立てて来られるので雨の日でも来てくださいますね。」

 

クラフト体験目的の場合はクラフトを集中的に、バーベキューならバーベキューに集中するというお客様もおられるそう。目的、楽しみ方は様々ですね。

初めの頃は、お庭とちょっとカフェとお土産屋さんとそのぐらいに思ってたそうですが、営業しているうちにどんどん広がっていったそうです。

 

「修学旅行で来られたりもします。学生さんからショーンの所に行きたいとリクエストがあったり。高校生とか若い子達がショーン目的でもガーデンを見ると『やー、お花がキレイ』って言ってくれるから、やっぱりお花が嫌いな人っていないですよね。見たらやっぱり綺麗ですもんね。」

 

目的が別の場所であれど、お花を見ると自然と癒されてしまいますね。

 

こんなに魅力あふれる場所、ですが大澤さんはまだまだ高みを目指します。

 

「現時点で完成度はどのくらいですか?って言われると、大体5割か6割って言ってるんですね。ガーデンに終わりはないので、従業員もお客様も目が肥えてくるし、常にレベルアップしていかないといけないじゃないですか。今はSNSやネットで勉強出来るので、分からないことがあったらすぐ調べられますし。お客様自体も知識が凄くレベルが上がってきていて、私達もそれに負けないように知識を付けなくてはいけないなって思ってます。」

 

ガーデンを造り始めたころから、“お客様と一緒に育っていきたい”という想いを持っておられた大澤さん。まさに今そうなりつつあることを強く感じているそうです。

今回はお花好きのスタッフを交えてのインタビューだったのですが、自宅で育てているお花に関しての悩みを明かすと、的確なアドバイスを頂けました。

 

楽しそうにスタッフのお花の悩みにアドバイスをする大澤さん、本当にお花が好きなんだなとインタビューを通して感じました。

 

お庭を造りたいという想いから、元採石場だったこの場所を美しいガーデンに造り上げた「ローザンベリー多和田」は、ガーデンはもちろんのこと、それ以外の見どころひとつひとつにオーナーのこだわりが詰め込まれています。目も心も癒せること間違いなしです。

Information

English Garden ローザンベリー多和田

滋賀県米原市多和田605-10(Google Map
開園時間:10:00~17:00 ※冬季期間12月~1月は10:00~16:00
休園:火曜日(祝日の場合は営業)
TEL : 0749-54-2323
ホームページオンラインショップFacebook / InstagramX(元Twitter) 

 

※上記は2025年1月1日現在の情報となります。

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